◆サハリンへ
古い友人である小林繁樹先生より、「何とか(サハリンに)出かけて戴く訳には参りませんでしょうか?」とのメールをいただいたのは、6月の上旬のことでし た。小林先生を通して、神さまが「あなたが行きなさい。」と、語られているように感じ、すぐお引き受けすることにしました。今まで、中国や東南アジアの 国々に出かけていくことはあったのですが、北の国ロシアは初めてでした。8月23日から31日までの10日間の日程で、今まで小林先生の働きを通して支援 を受けてきたいくつかの教会を訪問いたしました。少しでも、サハリンの兄弟姉妹の励ましになればと思って出かけましたが、小林先生が20年に渡って地道に 蒔かれてきた種が豊かに実を結んでいること、また困難な中で忠実に主に仕えている教会の姿を見て、むしろ私の方が多くの励ましを受けて帰ってきました。

◆ポロナイスク 8月27日(火)~28日(水)

◎家の教会「希望の声」に集まった兄弟姉妹
ユジノサハリンスクに到着した日の晩に、エレミーバ・ビクター、エレーナ牧師夫妻と共に、年を取って引退されたステファン牧師(Stephan Savchik)の家庭集会「希望の声」に参加しました。12,3人の小さな集まりでしたが、温かく迎えてくださり、簡単なお証しと、なにか日本語で賛美 してほしいとのことで、「驚くばかりの」を歌いました。集会は、サハリンの牧師たちのまとめ役であるピーター監督(Peter Yarmolyuk)が導いておられました。
帰り際に、ステファン牧師が近寄って来られ、私に伝えたいことがあると何かエレーナ牧師になにか話しています。ステファン牧師の次のような言葉をエ レーナ牧師が通訳して伝えてくださいました。「私(ステファン)は今朝、夢の中で黒い髪の男性が私の集会に参加して、頼まれて歌を歌っているのを見たので す。あれは、あなただったのですね。神様はあなたをサハリンに歓迎しているのですよ。」ステファン牧師のこの言葉は、私にとって大きな励みになりました。

◎ステファン牧師(中央)、ピーター監督(右
◆オハ 8月23日(金)~26日(月)

◎「救い主キリスト教会」の前で、アンドレイ牧師(左)、奥さんのラリサ、息子さんのセルゲイ(右)
8月23日にユジノサハリンスクから、飛行機で北の街オハに向かいました。プロペラ機で二時間弱かかりました。エレーナ牧師と共にオハの飛行場に到 着するとアンドレイ牧師(Andrei Koval)と息子のセルゲイ君(Sergei)が迎えに来てくださっていました。40代の元気な牧師先生です。オハの町の入口に、アンドレイ牧師が牧会 する「救い主キリスト教会」があります。店舗を改装した素敵な教会です。

◎20周年記念礼拝の様子

◎Skypeで会衆に語りかける小林先生
25日(日)にここで教会設立20周年記念の礼拝が持たれ、サハリンの他の教会からも牧師たちとその家族が集まってお祝いが持たれました。今回は Skypeで、小林先生がハワイから励ましのメッセージを語られ、小林先生の姿が映し出されると、会堂に集まった人々は拍手喝采して喜んでいました。小林 先生は、本当にサハリンの兄弟姉妹に愛されています。ここで23日(金の夜)と25日(日)との二回、メッセージをいたしました。ここでの記念礼拝には、 1000キロ近く離れたサハリン南端のユジノサハリンスクからもこの北の町オハに、ピーター監督をはじめ何人かの牧師たちが車でかけつけていました。 1000キロと言うと東京から北海道の稚内までの距離に匹敵します。しかも行程の半分は、舗装されていないダートロードを走って来なければなりません。

◎教会の兄弟姉
◆ポロナイスク 8月27日(火)~28日(水)
26日(月)アンドレイ牧師がノグリキの駅まで車でエレーナ牧師と私を送ってくださいました。ほとんど舗装されていない道を4時間ほどかけて駅に到着しま した。道路の整備状況は、以前にくらべてずいぶん改善されたようですが、小林先生がここで働きをはじめられた20年前はどれほど大変だったことでしょう か。

◎上はオハからノグリキ駅までのダートロード、ポロナイスクまでは寝台車に乗って移動しました。
夜7時過ぎに電車は出発し、おそらく時速50キロも出ていないのではないでしょうか。ガタゴトと音をたてながら、7時間ほどかけて目的地であるポロナイス クに到着しました。すでに午前2時半ころになっていましたが、雨の降る中、エレーナ牧師のご主人であるビクター牧師が駅まで迎えに来てくれていました。二 人のアパートは駅から歩いて5分ほどのところにありました。エレーナ、ビクター牧師夫妻は、小林先生がサハリンでの働きをはじめられた当初からの協力者で あり、話しを聞いていると、お二人が小林先生の育てられた愛弟子であることが良く分かります。エレーナ、ビクター夫妻が牧会する「キリストの平和教会」で は、温かいもてなしを受け、27日(火)の夜、メッセージの御用をしました。ウクライナから出稼ぎに来ている若い十数名の若いクリスチャンたちが参加して いました。

◎ポロナイスクの「キリストの平和教会」

◎ビクター牧師、奥さんのエレーナ牧師

◎教会の集会の様子

◎教会の祈り会の後でのフェローシップ
◆トマリ 8月28日(水)~8月29日(木)
28日(水)ポロナイスクでの御用を終えて、ビクター牧師の運転する車に乗って、西海岸の町トマリに向かって出発しました。やはり途中からは舗装されてい ないダートロードを走り目的地に到着しました。ポロナイスクに比べてこぢんまりとした町でしたが、ここでも教会の方たちが暖かく迎えてくださいました。到 着した晩、ゲナディ牧師がアパートを改装した黄色い壁の教会に案内してくださいました。時間になると20数名信徒さんたちが集まって来られました。ここで も小林先生がSkypeを通して教会の皆さんに語りかけておられました。私もメッセージの御用をさせていただきました。集まった方たちの中に、戦時中、日 本の家族と仲良くされていた一人の年配の女性がおられ、昔聞き覚えた歌を歌ってくださいました。戦後、仲の良かった日本人たちが去っていくのを見るのはつ らかったと話していました。ゲナディ牧師(Gennadi Surkov)から、トマリの町でもアルコール依存症などの問題が深刻であると聞かされました。この教会も、この地域の中にあって、霊的な灯台としての役 割を果たしています。

◎トマリの「新生教会」

◎集会に集まった兄弟姉妹

◎中央の男性がゲナリ牧師、左の女性が奥さんのヴァレンティナ
◆ユジノサハリンスク 8月29日(木)~8月31日(土)
オハ、ポロナイスク、トマリでの御用を終えて、8月29日(木)にユジノサハリンスクに戻ってきました。翌日、8月30日(金)に牧師たちの昼食会に招か れ参加しました。モスクワからペンテコステ派の総監督であるセルゲイ牧師が来られており、その歓迎と交流のための昼食会でした。

◆10日間の旅を終えて
10日間の旅を終えて、8月31日(土)に帰国いたしました。時間は限られていましたが、今回、サハリンの教会の兄弟姉妹との交流を通して、多くの励まし を受けて帰ってきました。20年に渡って小林先生が蒔かれてきた種が、困難な中にあっても豊かに実を結んでいること、多くの働き人が支えられ、サハリンの 教会が堅実に建てあげられてきたこと、それを肌で感じることができ心から感謝しています。