◆コリント人への手紙 第二 13章13節
主イエス・キリストの恵み、神の愛、聖霊の交わりが、あなたがたすべてとともにありますように。 (Ⅱコリント13:13)クリスチャンになって40年近くになりますが、ずっと教会(エクレシア)とはなんだろうと考えてきました。とくにこのグレイスハウスがはじまってからは教会像(教会のあり方)を模索してきました。常にいろいろなチャレンジはありますが、お一人お一人の中に、また教会の中に少しずつ良き変化が起こり始めているのを見て励まされています。小さな芽がめばえているように感じるのです。Ⅱコリント13章13節から今教えられていることをお分かちしたいと思います。
Ⅰ.恵みに生きる教会
クリスチャンは幸いなことに恵みの中に生きるように召されています。恵みの中に置かれていることを忘れてしまうと、私たちは自分の力でなんとかしようとがんばり始めます。しばらくはがんばり続けることができるかもしれませんが、そのままではどこかで破綻してしまいます。いつの間にか義務的(律法的)になってしまうのです。クリスチャンの生活が義務的になってしまうならば、喜びが失われてしまいます。クリスチャンの人生、神様の働きは聖霊の力がなければ前に進みません。聖霊はちょうどヨットの帆に吹き付ける風のような存在です。恵みに生きるとは、聖霊の助け、聖霊の力を受けて生きていくことでもあると思うのです。

Ⅱ.神の愛に満ちた教会
罪によって傷つき痛んだ私たちを癒し回復させるものは神様の愛だけです。神様はかたくなな私たちが心を開くのを待っておられるのです。私たちは自分で自分を救うことはできません。私たち人間を造られた神様だけが私たちを救い、本来のよき姿に回復することができるのです。私たちが知らなければならない大切なことが二つあります。父なる神様がどのような方であるか、そして私たち人間が神様の目にどのような存在であるかといいうことです。救いと言うのは単に滅びから救われるだけでなく、人間が本来のあるべき姿に回復されていくことも含んでいます。神の愛に触れるときにイエス・キリストを通して私たちの壊れたアイデンティティが回復されていくのです。そして真に自由な神の子として生きることができるようになるのです。

Ⅲ.聖霊の交わりの中にある教会
聖霊の思いと私たちの思いが一つとなる時に、神の力が二つの方向に向かって解放されます。聖霊はもう一人の助け主と呼ばれています。私たちが聖霊に協力するならば、聖霊は、私たちの内に向かって静かに働き、時間をかけてキリストに似た者へと私たちを変革してくださるのです。聖霊はまた、私たちを通して神の国を広げるために外に向かって神の力を現されます。私たちがキリストの真の弟子(パートナー)として生きることを願い歩み始めるならば、天から注がれた聖霊は、私たちの内と外に向かって力強く働かれるのです。その時、神様によって私たちに与えられた良き賜物と召しが開放されていくのです。賜物はいろいろな捉え方をすることができるかもしれませんが、一番基本的な賜物は何かができるという能力ではなく、その人に与えられた良き性質であると思うのです。私たちがキリストのご支配の中に生きるならば、聖霊との親しい交わりの中に生きるのならば、今まで罪の中に埋もれていたその一つ一つの良き賜物が回復され、神様の手の中にあって良き召し(計画)の中で豊かに用いられるようになるのです。

Ⅳ.いのちを生み出す教会
恵みに生きる教会、神の愛に満ちた教会、聖霊の交わりの中にある教会は、新しいいのちを生み出す教会となります。恵みも神の愛も聖霊の交わりもこれらすべてのものは神のいのちに根ざし、神のいのちによって結ばれているからです。いのちを生み出すものはいのちしかありません。
