◆ヨハネの福音書10章
10:9 わたしは門です。だれでも、わたしを通ってはいるなら、救われます。また安らかに出入りし、牧草を見つけます。
10:10 盗人が来るのは、ただ盗んだり、殺したり、滅ぼしたりするだけのためです。わたしが来たのは、羊がいのちを得、またそれを豊かに持つためです。 10:11 わたしは、良い牧者です。良い牧者は羊のためにいのちを捨てます。
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
10:27 わたしの羊はわたしの声を聞き分けます。またわたしは彼らを知っています。そして彼らはわたしについて来ます。
10:28 わたしは彼らに永遠のいのちを与えます。彼らは決して滅びることがなく、また、だれもわたしの手から彼らを奪い去るようなことはありません。
10:29 わたしに彼らをお与えになった父は、すべてにまさって偉大です。だれもわたしの父の御手から彼らを奪い去ることはできません。
10:30 わたしと父とは一つです。」
10:29 わたしに彼らをお与えになった父は、すべてにまさって偉大です。だれもわたしの父の御手から彼らを奪い去ることはできません。
10:30 わたしと父とは一つです。」
◎良き羊飼い
良き羊飼いであるイエス様は、囲いの中で私たちを守り、休ませてくださる方です。また一方で、私たちを囲いから広い外の世界に導き出される方でもあります。囲いの中は安全ですが、囲いの外にはたくさんのチャレンジがあります。でもそこでも良き羊飼いは私たちを守り養ってくださるのです。私たちが主を深く知り、養われ、成長するためには囲いの中で主とともに休息し、また主の呼びかけに答えて囲いの外に出て行くその両方が必要です。

Ⅰ.盗人
聖書は羊を滅ぼそうと試みる邪悪な存在について触れています。10節では、いのちを奪い滅ぼそうとする盗人と、いのちを与え豊かに生かそうとする良き牧者とが対比されて書かれています。盗人と呼ばれている邪悪な敵が私たちの生きているこの世界に存在し積極的に活動していることに主イエスは私たちの注意を促していますが、10章の全体の主題は、あくまでも良き牧者である救い主の声を聞き、従っていくことです。羊にとって最も大切なことは、自分を愛し養い守ってくださる羊飼いのそばを離れないで留まり、またついてくことだからです。盗人はそのような羊を羊飼いから引き離して連れ去ることはできません。
Ⅱ.囲いから踏み出す
確かに囲いの中にいれば安全ですが、豊かに養われるためには羊飼いの呼びかけに従って囲いの外に出て行かなければなりません。主はどこに牧草地があり、どこに水が流れているかをご存知だからです。確かに囲いの外には様々なチャレンジがあります。しかし、豊かに生きる唯一つの方法は、いのちの源であるイエス・キリストに従って行くことです。たとえチャレンジがあっても主が導かれるところに牧草があり、水があるからです。
私たちは必要を訴えて祈るのですが、変化が起きないことに失望してしまうことがあります。しかし、変化が起きない中でも、私たちのそばにおられる良き羊飼いは、私たち一人ひとりに関心を払い、養ってくださっているのです。時には私たちの気づかないような方法で・・・。救い主は私たちの弱さをご存知です。私たちにできないことをさせるような方ではありません。豊かないのちを得るために小さな一歩を踏み出すようにとやさしく呼びかけられているのです。羊飼いが呼びかけられているのであるなら、私たちは勇気を出して囲いの外で招いておられる主の後について行きましょう。きっと私たちの中に小さな変化が起こるはずです。
私たちの大祭司は、私たちの弱さに同情できない方ではありません。罪は犯されませんでしたが、すべての点で、私たちと同じように、試みに会われたのです。
ですから、私たちは、あわれみを受け、また恵みをいただいて、おりにかなった助けを受けるために、大胆に恵みの御座に近づこうではありませんか。(ヘブル4:15~16)
私たちの良き羊飼いは羊を強引に引っ張って行かれる方ではありません。そこそこ快適な場所のことを英語ではコンフォート・ゾーンと言いますが、時に主は私たちをコンフォート・ゾーンから踏み出すようとに呼びかけられます。クリスチャンにとってのコンフォート・ゾーンとは、そんなに罪を意識しなくても良い場所、自分を正当化できる場所、(神様や周囲の人に)責任転嫁できる場所、そんな場所ではないでしょうか。十字架から少し離れた場所にコンフォート・ゾーンがあるのです。あなたのコンフォート・ゾーンはどこにあるでしょうか?イエス様が赦してくださったように、人を赦さなくても良い場所、本当の自分の姿を隠して置ける場所(実際は隠せないのですが・・・)、自分が変わらなくても良い場所、それもコンフォート・ゾーンだと思います。
良き羊飼いである主は、私たち一人ひとりの名前を呼びかけて、「勇気をもって一歩踏み出しなさい。」「そこから出てきなさい。」と語りかけておられるのです。それは私たちを豊かに生かすためです。私たちの内にいのちが解放されるためです。イエス様は十字架の上で贖いを成し遂げ、自由への道を開いてくださっているのです。主の呼びかけに応じるときに、あなたの内に聖霊が自由に働かれるようになり神の力が解放されるのです。
Ⅲ.良き羊飼いと共に歩む
良き羊飼いであるイエス様に目をとめ、その語りかける声に耳を傾け、なんでも話しかけ、ともに歩いて行ときに、主は私たちのこころに平安を与えてくださいます。たとえ途中の道が険しくても、かならず豊かな牧草地へと導いてくださるのです。