福音を聞いて信じ救われた人々がクリスチャンです。福音は本来の意味は「良き知らせ」、英語では Good News になります。福音は神の真実の物語(ストーリー)であり、ただ心で信じるだけでなく、信じる者がそのストーリーの中に生きるように求めています。前回も触れましたが、私たちは教会として、このストーリーの中に生かされているのです。今日は、少し前回と重なりますが、神の国のストーリーに生きる4つのポイントについていっしょに学びましょう。
1.神の国のアイデンティティとストーリーを受け入れる
私たちは、キリストの十字架の犠牲の死によって罪赦され、復活の力によって新しいいのちが与えられています。それだけでなく、救われた私たちには、神の国に生きる国民としてのアイデンティティが与えられ、神の国のストーリー(計画)の中を生きるように召されています。かつては暗闇の支配の中にあって、不安に満ちたストーリーの中に生きていた私たちですが、今は、希望に満ちた神の国のストーリーの中に生かされています。神の国のストーリーとは、罪の中に失われていた私たちがキリストによって救われ、キリストにあって光の子とされ、勝利者として、神の国に生かされているというストーリーです。このストーリーは神の国の完成、私たちの完全な回復、キリストの完全な勝利という結末に向かって進んでいます。私たちはそこに生きる権利が与えられているのです。前回、悔い改め「メタノイア」の話しをしましたが、罪を悔い改めるとともに、私たちは、私たちの古いアイデンティティとストーリーを捨て、神の国のアイデンティティとストーリーを受け入れその中に生きて行かなければなりません。神様は私たちに、それを心から願っておられるのです。
この世と調子を合わせてはいけません。いや、むしろ、神のみこころは何か、すなわち、何が良いことで、神に受け入れられ、完全であるのかをわきまえ知るために、心の一新によって自分を変えなさい。(ローマ12:2)
2.神の国のルール(原則)に従って生きる
神の国に生きるとは、ある意味での学びとトレーニングの伴うことですが、そこには必ず聖霊の助けがあります。トレーニングである以上多少の努力が求められるかもしれませんが、聖書の教えるトレーニングは私たちが考える人間的な努力に頼ったトレーニングとはずいぶん違います。これから学びを進めていく中で、みなさんと一緒に実行していくトレーニングを少しだけ紹介したいと思います。まず、神の国のトレーニングは休むことから始まります。創世記を読むと分かるように、人間のストーリーは安息から始まっています。人間がまだ何の働きもしていない時に、神様は全てをご覧になって、「非常に良かった。」と語られたのです。このトレーニングはどうしたら、私たちが聖霊に頼って生きて行けるかという学びでもあります。そのためには、忙しい毎日の中で、時間を作ること、静まって神様の恵みを数えること、聖書のことばを噛みしめて味わうこと、神様が語られることを書き留めることなどが含まれてきます。主イエスも、私たちに休むこと、安息の中に生きることの大切さを教えています。くびきは農作業をする二頭の牛にかけられるものですが、主にあって休むこと、主から学ぶことを教えています。
すべて、疲れた人、重荷を負っている人は、わたしのところに来なさい。わたしがあなたがたを休ませてあげます。わたしは心優しく、へりくだっているから、あなたがたもわたしのくびきを負って、わたしから学びなさい。そうすればたましいに安らぎが来ます。わたしのくびきは負いやすく、わたしの荷は軽いからです。」(マタイ11:28~30)

3.神の家族の交わりにつながること
私たちは人との関係の中に生かされています。関係の中に生きるように造られているといった方が良いでしょう。私たちが、関係によって人を傷つけ、自分が傷つけられるのも事実ですが、回復され、成長するためにも関係を必要としています。私たちが傷ついた神の形を取り戻していくためには、神の家族の中に安心できる関係を見つけ、そこにつながり、キリストにあって良い関係を築いていくことが必要です。私たちが、神様の恵みと赦し、ご性質を学ぶことができるのは、この神の家族との関係の中においてです。
しかし、もし神が光の中におられるように、私たちも光の中を歩んでいるなら、私たちは互いに交わりを保ち、御子イエスの血はすべての罪から私たちをきよめます。(Ⅰヨハネ1:7)
4.聖霊との交わりの中に生きること
聖霊は、私たちがキリストにあってどのような存在であるか、どのような計画が与えられているかを教えてくれます。日々、私たちが神の国の原則に従って生きることを助けてくれます。また、聖霊は神の家族の交わりの中に参加してくださり、私たちを慰め、励まし、建て上げてくださる方です。神がご支配される天とこの地上とをつないでくださる方なのです。
しかし、助け主、すなわち、父がわたしの名によってお遣わしになる聖霊は、あなたがたにすべてのことを教え、また、わたしがあなたがたに話したすべてのことを思い起こさせてくださいます。(ヨハネ14:26)